はじめに―――僕について
僕は26歳の社会人男性です。
バックパッカーをするために、会社を辞めて1年のフリーランス期間をつくりました。
退職したとき、貯金は0円でした。
その少し前に友人と海外に小旅行へ行っていて、その精算がまだ終わっておらず、実質マイナススタートでした。まずはお金を貯めるところからの出発です。
世界の観光地や世界遺産に詳しいタイプでもありません。
「全部制覇したい」というよりは、これまでの旅の中で、わかりやすくすごい景色に心を持っていかれるタイプだな、というのはあったためそういうところを周りたいなと思っていました。
また、このタイミングでフリーランスを選んだのは、
この若さと立場で、1年まるごと旅に使えるのは、おそらく今しかない。
そう思ったからです。
まだ大きなポジションを任されているわけでもなく、家族を養っているわけでもない。「行くなら今だろう」という感覚だけは、ずっと頭から離れませんでした。
しかし、、、
「バックパックに行く予定で……」と言い続け、気づけば半年が過ぎていました。
社会人1年目からお世話になっていた仕事を3月に退職してから、やらなければならないことは確かにありました。けれど、それを理由にして、最後の一歩だけがどうにも重かったのも事実です。
今日は、その一歩が出るまでのいきさつと、今抱えている本音を書きます。これは自分の備忘録であり、同じようにこれから旅に出ようとしている方への小さな道しるべになればと思い書き残します。
一歩が出ない半年のこと
退職して最初の数週間は、自由そのものを満喫していました。
朝はゆっくり起きて、旅のYouTubeを流し見して、気になった場所をGoogle Mapsに追加していく。
「ここもいいな」「この景色はいつか見たいな」と思いながら、行きたいリストだけがどんどん増えていく日々でした。
「あと少しお金が貯まったら行きます」「準備が整ったら出ます」
そう言い訳をしながら、肝心の航空券を買うところまではいかない。
カレンダーだけが静かに進んでいき、「さすがにそろそろマズいな」と思いながらも、指先は航空券購入の手前で止まり続けました。
周りからは「バックパック行くんでしょ?」「いつ出るの?」と聞かれます。
そのたびに「そのうち」「秋くらいかな」と笑って返しながら、心の中ではずっと、
初めて試みるバックパックの旅への不安と、
今しかできないことを逃したくない気持ちがせめぎ合っていました。
先輩バックパッカーたちとの夜
そんなふうに一歩を踏み出せないまま時間だけが過ぎていた頃、
同じくバックパックに行く予定の友人と一緒に、先に世界を回ってきた先輩バックパッカーたちとご飯に行く機会がありました。
そのテーブルだけ、空気が少し違いました。
化け物みたいな魚を釣った話、絶景だった景色、たわいもないある日の面白かった話。どれも1年前の話のはずなのに、昨日の出来事みたいな熱量で語られていきます。
聞いているだけで、自分の中の「行きたい」がだんだん「早く行きたい」に変わっていくのがわかりました。
そのとき、不意にこんなことを言われました。
「なんでまだ日本にいるの?」
「なにしてるの? 早く航空券を買わないと!」
「お前は今日、航空券を買え。買ったら全部始まるから。」
半分冗談のようで、半分本気のようなトーンでしたが、その言葉だけは、家に帰ってからも頭から離れませんでした。
とはいえ、僕はやっぱり慎重派です。
その場の勢いで本当に航空券を買うことはできませんでした。笑
それでも、
チャンスがあるのにそれを逃しかけている
という感覚だけは、はっきり胸の奥に残りました。
この夜が、止まっていた時間に、最初のひびを入れてくれた気がします。
ダイビングが、次につないでくれた
止まっていた時間に、もうひとつ大きな変化をくれたのが、ダイビングライセンスでした。
この夏、沖縄の慶良間ブルーで有名な渡嘉敷島や黒島近くの海でダイビングライセンスを取りました。
信じられないくらいの透明度の中を、カラフルな魚の群れやウミガメが当たり前のように横切っていく。
水中に沈んだ瞬間に「同じ日本なのに、こんな世界があったのか」と素直に衝撃を受け、少しパニックになったことは記憶に新しいです。
何本か潜るうちに、「ただ潜る」のでは物足りなくなってきました。
もっとすごい大物を見たい。GTを見たい。ハンマーヘッドシャークを見たい。ダイビングの聖地セノーテで潜りたい。
そんな欲が、はっきりと言葉になるようになりました。
そこから、世界のダイビングスポットを本格的に調べ始めました。
Googleで、YouTubeで、ブログで。
これまで名前だけ知っていた場所である、セノーテやガラパゴス諸島、モルディブ、パラオなどが、少しずつ行きたい場所に変わっていきました。
ルートが、おぼろげに見えてきた
スタートは、エジプト・ダハブに決めました。
ダハブは「バックパッカーが沈没する町」と呼ばれるダイビングの聖地です。
まだ経験本数は20本ほどしかないので、
ここでしっかり潜り込んで、セノーテやガラパゴスに挑戦する前の土台を作りたいと思いました。
もうひとつの理由は、人です。
ダハブには世界中からバックパッカーが集まってきます。
治安や物価、国境越えのバス事情、ネットには載っていない細かいコツ。
そういう情報を、次の国へ進む前に現地で直接聞きたいと思いました。
頭の中の線は、今はこんな感じです。
- ダハブで潜りながら、次の一歩の情報を集める
- そのあとエチオピアから東アフリカに入り、タンザニア・ウガンダ・ケニア・マダガスカルへ縦断していく
- いったんヨーロッパに抜けて、
- 年末年始はバックパッカーの友人たちとアイスランドをロードトリップ
- その後どこかを経由してメキシコのセノーテで潜り、バックパック第一弾はいったん区切り
- そして2月中旬に再び飛び立ち、南米を周遊する
(ペリトモレノ氷河、フィッツロイ、ウユニ塩湖、マチュピチュ、レインボーマウンテン、アマゾン川、ガラパゴス)
ツアー会社のパンフレットのように、きれいに固まったルートではありません。
あくまで、今この瞬間の「こうなったらいいな」という仮の旅程です。
現地の情勢や、自分の体力や気分しだいで、いくらでも変わるかなと思います。
それでも、真っ白だった世界地図の上に一本の線が浮かび上がってくると、
ようやく「本当に自分の旅が始まるんだ」という実感が少しだけ湧いてきました。
今の気持ちと、このブログで残したいこと
正直に言うと、いまの心境は期待と不安が半々です。
- 初めての一人旅
- 東アフリカという響きに対する漠然とした怖さ
- 海外での初めてのダイビング
- 南米でのトラブルや治安への不安
そういうものは、頭の片隅にずっとあります。
それでも、水中で見た慶良間ブルーの光や、YouTubeや旅番組で見た数々の絶景、先輩たちの熱量を思い出すと、
早くそれらを自分の目で見たいという気持ちのほうが、少しだけ強くなります。
このブログには、そんな自分の揺れ動く心情も含めて正直に残していこうと思います。
映える写真だけではなく、
迷ったこと、やめたこと、怖くて引き返した瞬間も、
「なぜそう判断したのか」という小さな理由と一緒に書いていきます。
どこかでこのブログを開いた誰かにとって、
「ここだけ気をつければ行けるかも」と思える旅のヒントになればうれしいです。
今後について
上述したように不安な気持ちはずっとあると思います。
でも、あのとき先輩に言われた
「お前は今日、航空券を買え。買ったら全部始まるから。」
という言葉を、ようやく自分の手で回収しにいく感覚があります。
次の記事では、この旅のために決めた自分なりのルールや、
準備編(持ち物・安全・お金まわり)について書いていくつもりです。
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
よければ、この「今しかできないバックパックの旅」がどう転がっていくのか、もう少しだけ見守ってもらえるとうれしいです。
— REI